帰省して湯田温泉

 山口市の湯田温泉街は実家から歩いて5分程度のところにある。少年時代は井上公園で遊んだり、そこでの縁日に行ったりした。取り立てて何かがあったわけではなく、思い出にしんみりするというわけでもない。まあそのあたりで生活してたよね、というくらい。東京で暮し始めてから、盆正月には実家に真面目に帰省しており、1年に計10日前後の滞在を繰り返し、ぼんやり過ごしていた。

 今年の夏は都合により早めに帰省し、長らく手を付けていなかった過去帳をお寺に持っていった。過去帳なるものを広げたことのない私は、パラパラと開いてみて、最初に記載されている元号が安永となっていることを知ったが、なんだかピンとこないのであった。帰りに道の駅に寄ってみたけれど、閑散としていて田舎らしい人の少なさ。欲しいものもないのでその隣にあるスーパーで連れが地元の干し椎茸を買った。

 なぜ干し椎茸?ピエンロー鍋の素晴らしさにずーっとハマっていて、冬でも夏でも食べたくなるのです。干し椎茸を一晩位かけて戻してそのつゆと共に白菜どっさり煮るもの。後は豚肉と春雨のみ。あーホントに飽きないなあ。シンプルなのに飽きないのでひたすらそれだけを食べる。すんばらしい鍋ですね!

 話がそれた。いや今回は思いつくまま、帰省の記憶やそこから派生するものなどを書こうと思って。湯田温泉街にあって、帰省する度に行くようになったところが『晩酌処 沖』というところ。お酒も肴もリーズナブルで、何よりそこで出すうどんが美味しい。山口市といえば肉うどん。昔の小郡駅(現新山口駅)ではこの肉うどんが割と有名だった。通学高校生も食べてたはず。山口のうどんは腰がなく、とりたててすごいものではないんだけれど、甘辛牛肉が乗ってる、やさしいうどん。これがこの『沖』では絶品なんだなー。私は最高にうまいと思います(つまり、讃岐うどんでも、資さんうどんでもなく、博多うどんのどろどろになるものでもない、とりたてて特徴はないうどんと思うけど)。なんとお値段550円!おすすめ!!

 翌日は初めて入るカウンターが5席、裏に座敷2テーブルの飲み処。連れが帰省の度に気になって、いつか入りたいと思っていたところ。連れが『沖』の帰りに翌日の予約をして入った。当然、常連さんが既に始めておられ、私たち参加。ママさん、スナック歴23年、ここで16年、すごい。みんな美味しかった!ママさんも実家のご近所の方であった。帰省の度に行ける店がひとつ増えました。

 ところで、最近山口市は取り上げられているようなんだけど、なんでかわからないままなのだ。まあ特にすごいものがあるわけでもないので、私たちにとってはどうでもよいです。しかし、「バリそば」なるものの記事がどこかであったかしら。これについては、実はとても好きで、帰省の度に必ず1回は行っている。皿うどんでもなく、チャンポンでもない。お皿に焼いた麺とその上にはざく切りキャベツや椎茸、イカ、かまぼこ、ひら天、豚肉、鶏肉、そしてよわーい餡かけ的なスープがかけてある。なんだ皿うどん、チャンポンではないかと思われるでしょうが、スープもさることながら、麺が絶妙で、スープに浸っていると少しずつ柔らかくなる、だけど絶妙な腰があるんですね(説明しても皿うどんかチャンポンかな)。これが飽きない。お店の名前は『春来軒』。何店舗かあるけれど、高校時代も行っていたところが一番美味しく、私の求めている麺と味。なぜかそこはバリそばではなく、メニューは焼きそばなんだけれども。。。書いていながら、また食べたくなってきた。また年末年始に!やってれば食べたいなと。

 山口市の食べ物・・・地味ですかね。いや私の好みが地味なんですね。テーマは飽きない食べ物だったか!?

 あ、そうだ、ここは鯛のお刺身のホントに美味しいものに“出会える”?ところでもあると思います。